膝の赤みは働いた証し
私は仕事の時、膝をよく使う。
どういうことかというと、膝を使って歩いたり座ったり、ベッドの上での接客時には膝で自分の体重を支えることが多い。
膝を使って歩いたり座ったり・・・というのは、
お客様の目の前でなるべくドカドカ歩いたりせず、どうやったら少しは所作がきれいに
見えるだろうと考えたときに、「自分をお客様の目線より下げる」ことを思い付いた。
入室したらお客様はたいていソファかベッドにおかけになる。
私はお店に入室の連絡をいれなければならない。
その時に私が立ったまま電話をかければお客様の目線より上がり、見下ろすような形になってしまう。特に初対面のお客様だと私自身気恥ずかしさや警戒心もあり、自分からいきなりお隣に座ることはなかなかできない(お客様のほうから「そんな床にいないで隣においでよ」と言われれば有り難く失礼してお隣にいかせてもらうが)。
床に膝で立ちお客様のお足元で電話をすれば、恥ずかしいながらもその後の流れを作りやすくなる。
それ以外にもお風呂でお客様の体の胸より下を洗うとき、何か物を取るとき、
立ったままの状態で手だけ下げるよりは膝で立ってしまったほうが見た目にもいくらかましなのではないかと思ってやっている。
ベッドの上での接客時には、間違ってもお客様の体に体重をかけてしまうことがないよう、膝や関節を駆使して支えるようにしている。
お風呂場や部屋の固い床の上に膝立ちしていたりすることが続くと、だんだん私の膝は赤くなってくる。みっともないなぁという気もするが、これで所作がいくらかきれいに見えるのなら、痛みも赤みも働いた証しのようでちょっとだけ誇らしい。
こんなこと、無意味だと思う嬢やお客様はいると思う。
しかし、誰もなにも教えてくれない。
接客方法も「これが正しい」という完成形はないから、よりよくするにはどうしたらよいか自分で考えなければならないし、その都度勉強だ。
これは、けっしてキレイでも可愛くも男好きするグラマーな体でもない私が、どうすれば少しでもきれいに見せられ敬う気持ちを表現でき、ほんの少しでもお客様に印象を残せるだろうと考えたときに浮かんだアイディアの中のほんのひとつにすぎないのだ。