期間限定 ふんわり風俗嬢の内緒話

ひょんなことからまさかの風俗業界に足を踏み入れた、新米風俗嬢の内緒話です。

悩み抜いた大きな壁

この仕事に就いて2ヶ月半くらい経った頃、私は大きな壁にぶつかっていた。

自分の仕事ぶりが間違った方向へいっていないか、本当に稼げている状態なのか、

本当は危機感を持った方がよいほど稼げていない状態なのか、あとどんなことを努力すればもっと伸びるのか・・・

色々とわからないことが増えてきていた。

しかし、相談できるのはスタッフしかいない。

そのスタッフが皆いつも忙しそうで、相談をもちかけるのをためらうほどカリカリイライラしているのがわかることが多く、日に日に私の中で焦燥感が募っていた。

メールで相談しようにも、そのような手段がない。

 

やっとある日、それなりのポジションのスタッフを捕まえて慌ただしく伝えることができた。それは相談とはほど遠いものだった。

「自分があとどんなことを努力していけばもっと伸びられるのか、わからなくなって

行き詰まっている」ということを言うのが精一杯で、話したいことの半分も言えなかった。

そのスタッフから返ってきた言葉は「考えすぎ。もっとがんばれ。」だった。

頑張り方さえ、その時はわからなくなっていたのに・・・。

 

この店には親身に相談に乗ってくれる人もいない。

愕然とした。寂しかった。

 

でも落ち込んでばかりもいられない。なんとか負のループにはまる前に抜け出したいと思い、私はあちこち調べて、同じ業界のとある店の面接に足を運ぶことにした。

掛け持ち、移籍・・・頭をよぎった。しかしそれ以上に、私はとにかく誰かに話しを聞いて欲しかったし、今の自分の状況を客観的にみて指摘してくれる人が欲しかった。

 

面接店は万が一のことを考えて、在籍店からかなり遠い場所を選んだ。

私はそこで面接官を前に、掛け持ちを考えていることを前提にとことん話しをした。

自分の店が相談に乗ってもらえる雰囲気ではとてもないこと、自分がいま稼げているのかどうかさえわからないことなど、とにかく「話せるのはこのチャンスしかない」と思って遠慮をしなかった。

面接官は、過去に私の在籍店から私と同じような不満を抱えてその店へ移籍してきた女性がいたことを教えてくれた。

そして、私の出勤日数と時間からみて、リピーター様の人数や本指名の返り、出勤時の本数をトータルで考えると、けっしてヒマしているわけではないし稼げてないとは思わないと言ってもらえた。

 

掛け持ちについては「今の出勤日数を少し増やすか、時間帯を変えるか、今の半分の日数でもうちにもらえませんか?」と打診されたが、それはどうしても不可能だったので、それ以上話しは進めなかった。

その店は自分の店と比べたら、スタッフはいつでも気さくに相談に乗ってくれる雰囲気だし待機室もきれいだし、精神的にはいくらかラクに仕事ができそうな感じがした。しかし、店のカラーがもしかしたら自分とは合わないかもしれない気がして、総合的に考えてもう少し今の店で頑張ってみようと思いながら面接店を後にした。

 

その時の面接官から、仕事をしていく上でヒントになるようなことをいくつか言ってもらえたが、それはいまでもとても生かされている。

そして、今の店で働いているかぎり、孤独は覚悟しなければならないと腹をくくった。悩みの相談ではなく、どうしても何か明確な改善をお願いしたい時だけ簡潔に伝えようと思った。

 

大きな壁はひとまず乗り越えられた気がした。