期間限定 ふんわり風俗嬢の内緒話

ひょんなことからまさかの風俗業界に足を踏み入れた、新米風俗嬢の内緒話です。

ジュエリー店にて

先日デパートで買い物の途中、とあるジュエリー店の前を通りかかった。

年の頃は20~30代だろうか、ひとりの男性が少しぎこちなさそうにショーケースの中を見つめていた。私は休憩の意味もかねて、その店先の向かいにあったソファに座り、なにげにその店と男性客を眺めていた。

笑顔の素敵な女性店員がごく自然に男性客の前に立ち、ぽつぽつと会話を始めた。

会話の内容まではこちらまで聞こえてこなかったが、その雰囲気は「売りつけようとしている」のではなく、「相談にのっている」ように見えた。「ああ、この女性店員はきっとよく売り上げるのだろうなあ」と直感した。無理に売り上げようとしなくても、彼女のかもし出す温和で気さくな雰囲気、一方的にセールストークをするのではなく、お客様の話をとにかく聞こう、聞きだそうとする姿勢からそう感じた。

 

キラキラとしたジュエリー店はその場にいるだけで時に圧倒されてしまう。

指輪ひとつとっても実に様々なものが並んでいて、女性の私でも目移りしてしまう。

ゆっくり見たくても「セールス」されるととたんにその場から離れたくなることも多い。

 

その男性客はおそらく彼女(パートナー)にプレゼントするためにジュエリーを選びにきたのだろうが、女性店員と話しながらどんなことを考えていたのだろう。彼女の指、しぐさ・・・きっと頭に思い浮かべながら選んでいたに違いない。

 

私は自分の時間の都合もあり、男性客が買い上げる前にその場を立ち去ったが、なんだかほのぼのとしたとても良い時間のおすそわけを頂いたような、温かい気持ちになった。

 

ジュエリーというのは女性にとって(少なくとも私にとっては)とても大事な意味を持つもので特別な存在だ。自分で買う時には最上級のご褒美的意味を持つし、人からプレゼントして頂く機会など滅多にないけれど、それだけに「この人」と思える人からしか頂きたくない。

カウンセリングとは違うけれど、お客様の話を聞きながら「長く愛されるひとつ」を選ぶお手伝いができるそんなお仕事が、とても素敵に思えた。