期間限定 ふんわり風俗嬢の内緒話

ひょんなことからまさかの風俗業界に足を踏み入れた、新米風俗嬢の内緒話です。

初めての激しい口論

私は久しぶりに会った大学時代の仲間たちと談笑していた。部屋の端のほうで「あの人」が私を待っていた。
きりのよいところで私が先に席を立ち、「あの人」と部屋をあとにした。

「あの人」が急ぎ足で歩きながら「(電車に)間に合うかなぁ」とつぶやく。
私は少し小走りになりながら「急いでるなら先に帰ってもいいよ」と言う。
内心、「久しぶりなんだからゆっくりしたらいいよ、と言っていたし、用事があるなんて言ってなかったのになぁ」と腑に落ちない。

「(ホテル)オークラまで鍵を取りに行かないと、今日は自分用の部屋に上がるドアを使うから」という「あの人」。

…オークラ?鍵??何のこと?
えっ、オークラに泊まってるの?わたし、そんなこと聞いてなかったよ?


山道のようなところを歩きながら何故か騒々しくて、矢継ぎ早に質問するも、小さな声でしゃべっている「あの人」の言ってることがさっぱり聞き取れない。

私は何度も、えっ?いまなんていったの? と質問する。

そのうち、焚き火の跡のような場所にたどり着き、「あの人」が「……ということだから。」と言う。


「えっ?何をいってるか全然わからなかったよ」
「俺は説明していた。聞こうとしなかった貴方が悪い」
「私、なんども聞いたよ?それに聞こえないって何度も言ったよ?」


そして「あの人」が今まで見たこともないような冷たい顔で私に何か言いかけて…






そこで、激しい動悸と荒い呼吸でハッと目が覚めた。
夢だった…


夢で良かった…思わず呟いてしまった。
なんだったんだ、あの夢は…。
夢で「あの人」に会えたのは嬉しかったけれど、悪夢に近い夢だった。