期間限定 ふんわり風俗嬢の内緒話

ひょんなことからまさかの風俗業界に足を踏み入れた、新米風俗嬢の内緒話です。

ぐじゃぐじゃとした気持ち

暗闇から引き上げられるようにして目を覚ました。まだ夜中。
目が覚めてなんだか重苦しさ、悲しさ、やりきれなさみたいな気持ちでいっぱいだった。
全身汗びっしょりで、目には涙が滲んでいた。

いまのこの、はっきりと表現できない「ぐじゃぐじゃとした」気持ちが、気持ち悪い。


原因は何だろう。
仕事?仕事は多いに原因があるかもしれない。
「あの人」を愛しているという想いが強くなる一方で、反比例して仕事に対しての苛立ちと辛さが増している。
仕事は仕事、切り離してなりきってやるしかないことは頭ではわかっている。
私が辛かったら、「あの人」はもっと辛くなってしまう。だからせめて、淡々と無感情にこなしていくしかないのだ。
辞めるのは簡単だ。
いまここでお店に、一言だけ書いたメールを送ればそれで済む。
だけどいま辞めるわけにはいかないのだ。
そう思うのも、私の甘えなんだろうけど。
今と同じ労働時間で同じ収入を得られる仕事を他に持っていないのだから。


他の原因…
なんだろう。恋愛のこと?
辛さや不安は全くと言って良いほど、ない。
あるとしたら、時々襲ってくるたとえようのない虚しさと寂しさ、嫉妬心ほど強くなくても羨ましいという思い。

羨ましい。私だって…私だって……。


ここまで書いて、久しぶりに涙が溢れた。声を殺して泣いた。


写真を見る。メールやメッセージを読み返す。デートしている時の楽しい記憶を辿る。こんなに幸せでお互い愛し合っていてこれ以上ないくらいなのに、羨ましいと思ったり涙を流す自分をなかなか自分自身で肯定して抱きしめてあげることができない。これは、辛い。
…ああ、辛いのはこの部分なのかもしれない。


「あの人」に会いたい。
そばにいたい…


涙は止まった。ハーブティーも飲み終えた。少し横になって目を閉じて、空が明るくなる頃には新しい気持ちになれることを信じたい。