期間限定 ふんわり風俗嬢の内緒話

ひょんなことからまさかの風俗業界に足を踏み入れた、新米風俗嬢の内緒話です。

写真

もうすぐ眠りにおちそうな、ふわふわした状態でこれを書いている。

「あの人」の写真やデートの時に撮りためてきた写真を眺めている。
少しずつ、思い出と共に写真も増えてきたなぁ。


あそこへ行った時は、あれを食べてあんな話をしたなぁとか、写真一枚からその時の記憶がまるで動画を再生するようにはっきりと思い出される。


初めて遠出のデートをした日。
帰り際にふいに思いが溢れてしまい、
子どもじみた言い草だけど、
もっとずっと一緒にいたい、帰りたくない、帰したくない…自分でも驚くほどのそんな強い思いから、初めて「あの人」の胸で泣きじゃくってしまった。

泣いたってどうにもならないのに、
ただ幸せな貴重な時間が削られてしまうだけなのに。

「あの人」が何も言えなくなって、ただ強く抱きしめることが「どうして何も言ってくれないの?逃げないで!」と思ってしまい(今なら、言葉にならずとも、それが「あの人」の最大限の気持ちの表現方法だとわかるけれど)、余計に切なくなった。

辛そうな声で「やれることは最大限やってる…」…そんなふうにいう「あの人」に、突き放されたような冷たさを勝手に感じてしまい、「わたしが聞きたいのはそんな言葉じゃないのに!」と余計に悲しくなった。

どう言われれば、どうしてもらえれば、あの時泣かずに済んだのかはわからない。
「そうだよね、おれだって一緒にいたいよ、帰したくないよ」と言われれば納得したのか。
おそらく、あの時はああして泣くしかなかったのだと思う。
むしろ、「あの人」にはとても申し訳ないことをしたけれど、あそこで素直な感情を出させてもらえて良かったのかもしれない。


そんなこともあったなぁ。
懐かしい。


今はあの頃よりも、もっと関係も深まり、信頼関係や安心感の層もうんと分厚くなった。

一緒に過ごす時間が増えるごとに、ふたりの顔がどんどん柔らかく、幸せそうになっているのがわかる。


幸せ。
これだけ誰かを愛せることも、
愛されることも、幸せ。